外に出ると自分の存在価値が分からなくなる

俺は用事がなければ基本部屋に引きこもっている。
そんな俺の数少ない趣味としてボルダリングがある。
まだ始めて4ヶ月くらいで、運動音痴の俺は全然登れないが試合に出してすらもらえなかったバドミントン部とは違いプレー出来ているだけで楽しいし運動不足が解消できるので続けている。

今日もボルダリングに行ってきた。
俺がいつも行っているボルダリングジムは常連同士の仲が良く、いつも話に花が咲いている。
(新参者でコミュ障の俺はその輪に入れず、大抵黙々と登っている。)
今日はその輪の中に若くて背も高く難しい課題をこなしている兄ちゃんがいた。
常連たちの話題の中心はその兄ちゃんだった。

常連「若いんだからもっと難しい課題いけるだろ!」
兄ちゃん「いやー難しいですよー」

俺だって若いが上から2番目に簡単なレベルの課題しかやっていない。しかも登れていない。
その兄ちゃんは上級者クラスの課題をやっている。
しかも話の流れからその兄ちゃんは俺と同じくボルダリングを初めてそう日が経っていないことが分かった。

常連1「若くてそれだけガタイも良くてしかも東大生だろ?
常連2「俺も立教じゃなくて東大生になりたかったわー」
常連3「将来高給取りだろ?4、5年で俺らなんか抜かされるよな」
兄ちゃん「生々しい話やめてくださいよー(照)」

 

 

だから外に出るのは嫌なんだ

他人と比べるな!自分は自分!という人もいる。
俺だってそうしたい。上を見て、自分には手が届かないものを見せつけられて傷つくのはもうごめんだ。
でも外に出れば嫌でも他人が目に入る。他人が目に入れば他人の能力も目に入る。こうなるともう比較しないなんていうことは不可能だ。
偏差値50の俺と東大生を比較するのはおこがましいが、自虐に使われた立教だって俺からすれば喉から手が出るほど欲しい学歴である。

学歴だけじゃない。常連のおじさん達は若さが羨ましい、怪我が怖いしもう昔のような動きは出来ないと言いつつ運動音痴で非力の俺には一生かかっても出来ないムーブを軽々決める。
一方俺は股関節を痛めたり皮膚が一向に硬くならず出血するなど毎回怪我を負って帰る。
おじさん達の「昔」であるはずの俺は、おじさん達の「今」より遥かに劣っているのだ。

課題も全然クリアできないしもう惨めで惨めで泣きそうだったが、勝手に不貞腐れていても気持ち悪いと思われるだけなので「次来た時はクリアしますよ」なんて笑顔で受付の人に言って帰った。

俺の大学の友人はほぼ同時期にボルダリングを始めた。
そいつとボルダリングに行った時も圧倒的な差を見せつけられて惨めな思いをした。
俺の人生はずっとこうだ。

井の中の蛙になるなというのは一般的によく言われることだ。
でも俺からすれば蛙になれるだけ羨ましい。
俺が蛙になれるのは誰もいない自室だけだ。
孤独で寂しいが、傷つかないだけ外に出るよりマシだ。

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